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2020.11.16

第1回 カタリーナ・アンダションさん(53歳)
「タイムレスで洗練されたデザインが大好きです」

日本では「アクティブシニア」と言われますが、スウェーデンには「55+(フェムティオフェムプルス)」という言葉があります。
これは、55歳からの熟年世代、65歳で定年になる10年前から老後の人生設計を始めようという考え方です。
子育ても一段落して、自分の時間が持てるようになる「55プラス」世代。
そんな心身ともに充実した方のライフスタイルを、北欧スウェーデンから日本へお届けします。

Written by 山本 由香/Photo by Peter Bruselid

18世紀の織物工場跡 バーネンゲンでの暮らし

カタリーナさんがパートナーのフランクさんと暮らす「バーネンゲン」は、ストックホルムの東セーデルマルムにあります。バーネンゲンは、18世紀に栄えた織物工場の建物。今でも外装は当時のままの姿が維持され、内装は暮らしやすいようにリフォームされて、集合住宅やIT企業のオフィスなどに使われています。敷地内には織物工場のオーナーが暮らした大きなお屋敷があり、その広い庭はカタリーナさんたちが暮らす「フラット」の住民が自由に使えるそうです。レンタルガーデンもあり、カタリーナさんも一角を借りて花や野菜を育てています。

フラットの各世帯は、天井の高いリビングダイニングルームとロフトのあるコンパクトな作り。「室内は狭いけれど、こうやって自然に恵まれた庭を自由に使える暮らしは快適です」。キッチンもコンパクトですが、壁には棚が取り付けられ、お気に入りのテーブルウェアなどが使いやすく並べられています。

気の合うデザイナー仲間とインテリアショップを経営

フィンランド出身のカタリーナさんは、1986年にデザインを学ぶためストックホルムへ移住。コンストファック美術大学を卒業後、陶器とガラスのデザイナーとしてフリーランスで活躍しています。現在は作品作りの方針に共感するテキスタイルデザイナーとジュエリーデザイナーとともに、オリジナルブランド「ハッピーストックホルム」を立ち上げ、2007年にはショップ運営も始めました。大好きなのは、「大先輩であるミッドセンチュリーの著名デザイナー、カイ・フランクやオイヴァ・トイッカのタイムレスで洗練されたデザイン」。陶器、ガラス、テキスタイルは暮らしに欠かせないアイテムですが、それぞれをどのように組み合わせるかが、インテリアを美しく見せる大切なポイントだといいます。一つひとつお気に入りを選ぶより、全体のバランスを考えて選ぶことが、インテリアを美しく見せる秘訣なのだとか。

「やりたいことはいろいろあるけれど、今はやるべきことを選ぶようになりました。自分には何が向いているか、誰と仕事をすればいいのかがわかる年齢になって、いろいろなことがうまく動いています」。この秋からはデザインスクールで非常勤講師も務めることになり、若い世代との交流が楽しみだというカタリーナさんは、「55プラス」世代予備軍の53歳。まだまだ第一線で活躍されています。

「ミニマリストで機能的で、使いやすい作品作りを心がけています」というカタリーナさん。ブランドを共同運営しているのは、テキスタイルデザイナーのカイサさんとジュエリーデザイナーのカロリーンさんです。それぞれがフリーランスデザイナーとして活躍していた同世代の3人は、2000年に出会いました。時が経つほどデザイナーとしての思いが共通していることを知り、「ハッピーストックホルム」を立ち上げたのです。

彼女たちがこだわったのは、素材への深い知識と、よいものを作るという作品への情熱でした。スウェーデンの伝統工芸に精通した優秀な職人は柔軟性を持ち、コミュニケーションも取りやすいため、カタリーナさんたちの要望に応えながら、より高いレベルの作品に仕上げてくれます。また、3人の日々のコミュニケーションの中からも、新しいアイデアが生まれます。陶磁器とガラス、テキスタイル、ジュエリーは異なる分野の作品ですが、暮らしには欠かせないアイテムばかり。お気に入りのものが暮らしの中にあると、ライフスタイルもワンランクアップします。


Written By 山本 由香
ストックホルム在住のデザインコンサルタント。スウェーデンのデザインとライフスタイル情報を発信するサイト「スウェーデンスタイル」を主宰しながら、スウェーデンと日本をつなぐ活動を行っている。北欧のパターンデザインに特化した事業スカンジナビアンパターンコレクションも展開中。

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