Loading...
2022.09.20

【連載】「カルペ・ディエム」を実践するためのリフォーム(第1回)

 今日という日を大事に、今を生きようという意味の「カルペ・ディエム(Carpe diem)」は、夫であるDさんの故郷フランスでは中学や高校で学ぶほど広く浸透している考え方なのだそう。日本で生まれ育った妻のKさんは、その考え方に深く共感され、闘病中に念願だった家づくりを決意されました。

「人生って、どうなるかわからないじゃないですか」とKさん。

「本当はずっと、病気のこともあって、おうちはあきらめようと思っていたんです。でも、大事なのは今。みんな人生は一度きりだし、私たちだけじゃなく、いろんなことがみんなそれぞれあると思うんですけど。私たちは今を大切にするために、このおうちをつくりました」

 実はインテリアコーディネーターにも憧れていたほどインテリア好きなKさん。福祉関係のお仕事をする中でも老人ホームを2棟こだわって建てたご経験もあり、スウェーデンハウスリフォームの営業担当も、「ただ『リフォームしてきれいになればいいや』じゃなく、本当に一つひとつにコンセプトをお持ちで、並々ならない家づくりへの思いを感じました」とふり返ります。

 そんな真似したいアイデアが詰まったD邸の住まいづくりを、今回から全3回にわたってコラムでお届けします!

DATA
築年数 46年 工期 約3ヶ月
工法・構造 在来工法

一つひとつにこだわった愛着のわく家づくり

 夫のDさんは、どちらかと言えば家づくりは機能性のほうを重視。インテリアに関してはほぼ妻のKさんにおまかせだったといいます。根っからのインテリア好きとあって、随所にそのセンスが光るおうち。選ぶ基準は「良いものを長く使う」。本当に良いと思うものを厳選して好きなものに囲まれる暮らしは、カルペ・ディエムの基本なのかもしれません。

「照明もすごく好きで。家具店にある照明とか、以前からいろいろと見ていたんですよ」とKさん。インテリアコーディネーターが提案するものも参考にしながら、これまで「いつかおうちを建てるときにはこれを使いたい」と思っていたものを取り入れてのコーディネートとなりました。 

たとえば2階の廊下には、こんなライトを並べて奥行き感を演出したり。

 トイレのちょっとした照明にも、こんなデコラティブなデザインのものを合わせてアクセントにしてみたり。ちなみに、このランプはトイレの真ん中ではなく、あえて端に寄せて鏡の前に垂らしているのも、空間の中でいいアクセントになっています。

 家事室にもなっているランドリールームには、タイルの壁に合わせてシンプルでスタイリッシュなブラケットをさり気なく配して。それぞれに選び抜かれた照明が一つひとつ、サプライズのある素敵な空間を演出しています。

ゲストのおもてなしにもなる薪ストーブ

 リビングの薪ストーブも、おふたりの強い希望だったもののひとつです。「この大きい空間には薪ストーブが必要だなと思ったんです」とKさん。その思いを後押ししたのは、Dさんとフランスへ里帰りしたときの体験でした。

「冬に親戚の家に行った時に、そこにはビルトインタイプの薪ストーブがあって、ゲストを迎える特別な日に薪ストーブに火をつけて、その炎を見ながらみんなで団らんしました。」

「夫は薪ストーブがある家で育ったのですが、『毎日つける家もあるけど、メンテナンスが大変だから、週末とかクリスマスとかにだけつける家も多いよ』と。平日は夜に帰ってきて、それからつけ始めると遅くなってしまうから、フランスでは金曜から土日に向けて男の人たちが焚き始めるんだそうです。私たちも共働きで普段は遅いので、すごく寒い日はつけるくらいで、主に週末につけて愉しんでいます」

写真:Kさん提供
post-2890

「電気代もかかりませんしね!」とKさん。お父様も最近はお仕事場で薪ストーブを使われているそうですが、近くで造園業を営まれている関係で薪が手に入りやすいのも導入を決めた理由のひとつです。

「あとはやっぱり、見た目がすごく可愛かったのもあります。父と夫が一緒に庭で薪を切ったりするのも、いいアクティビティになっていますよ」

 窓の外に広がる大きな庭も、おふたりがこの家に住もうと決めた理由のひとつ。庭の芝は、本職のお父様に教わりながら、Dさんと一緒に張ったものなのだとか。Kさんは生け花の教室も開かれているほど極められていますが、生け花とはまた違った庭づくりや野菜作りも大好きなのだそう。季節ごとの草花を楽しんだり、家庭菜園で野菜を育てたり、ここで過ごす時間もまたカルペ・ディエムの実践になっているようです。

ホームパーティでもそれぞれが寛げる空間に

「夫はフランス人なので、ホームパーティをすごくするんですよ。フランス人にとってホームパーティは大切な時間なんです」とKさん。ご結婚されてから、Kさんもホームパーティを自宅で開いて楽しむようになったと言います。

「私もホームパーティーは嫌いじゃなかったけど、手料理でもてなす自信がなく…夫にどんな料理を作ればいいの?と聞いたら『ピザでもいいんだよ』と言ってくれて。フランスの人たちは、ピザをとってでも、とにかくみんなで集まって語らうんです。それで、そのまま0時を過ぎればそのパーティは成功。居心地がいいってことだから」

 以前住まわれていたマンションでも、仕事の後に人を呼んでよく開いていたそう。

「でも抗がん剤治療中は辛すぎて、ホームパーティーは開くけど、私はお風呂で寝落ちしてしまったこともあって。小さなマンションで、ひとりで休む場所がなかったんです。それで、こんなにホームパーティ好きなら、もっと大きな空間がいいなと思ってこの家をつくったんです。たとえば私の友達と私が和室で寝ころびながら壁にプロジェクターを映してガールズトークしていたら、夫たちはソファでも寛げるし、2階にある自分のオタク部屋にも行けますよね」

写真:Kさん提供
post-2890

「ホームパーティだからといってひとつのグループじゃないんです。夫のグループと私のグループ、それぞれが気を遣わずに楽しめる場所があると良いなと思って。その動線も考えて、アイランドキッチンにしました。キッチンから庭が眺められるようにしたのもポイントです」

 Kさんは「フランスの台所」で感じたことがあります。

「フランスではホームパーティをするときも男の人が台所に立ちます。ホスト側の夫婦も席に座り、会話も楽しむことでゲストもリラックスできる。それがフランス滞在時で一番ハッピーな思い出です。だから、そういう場所をここで提供したいと思ったんです」

 そこでKさんは、大きなダイニングテーブルを置いて、4人姉妹のみなさんをご夫婦で呼んでホームパーティを開催。何度かやるうちに、「この間うちでも真似してやってみたよ。フランスのホームパーティの仕方を教えたんだ!」とお義兄さんに言われたりするようになったのだとか。

「そうやって私の目で見たフランスの日常の良いところを大切な人とシェアできたらと思い、誰でも気軽に入れるフランスみたいなオープンな台所を目指しました」

写真:Kさん提供
post-2890

 キッチンのカウンター下に、お茶の道具などを誰でもすぐ取れるように配置したりしているのも、Kさんならではのアイデアです。

 食洗機は、よく使うDさんの希望で、ガバッと扉が倒れて大きく開くタイプのものが選ばれました。「夫は料理が苦手なんですけど、洗い物とかはいつもしてくれて、絶対に食洗機は入れたいと言っていたんです」とKさん。夫も妻もゲストも使いやすいキッチンで、ホームパーティもますます盛り上がりそうです。

「我が家には1階にテレビがありません。リフォームが完成してから、テレビがなくても庭を眺めたり薪ストーブの火を見て過ごしたり。そんな時間が人生の大切な記憶になっていくと思っています」

写真:Kさん提供
post-2890

「これから冬になったら、週末は朝から薪ストーブを焚いて、そこでピザやパンを焼いたり、夜はふたりでお酒を飲んだりしながら過ごします」とKさん。寒い季節も楽しみになる家。季節ごとの庭仕事や日々の暮らし、ホームパーティも、すべてはカルペ・ディエムにつながっていました。

第2回「古いものを大切に、和のテイストも上手にとり入れて」へ続きます。
https://swedenhouse-reform.co.jp/column/relive15_2-2/

RECOMMEND
スウェーデンハウスリフォームをフォローしよう!
Facebook Instagram
お問い合わせ お問い合わせ
オーナー様専用
情報誌プレゼント