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2026.10.08

Timeless RE-DISCOVERY~時を超える佇まい~「KASTHALL(カスタール)ストア&ショールーム」

今回は、スウェーデンの老舗ラグブランド「カスタール」に注目。日本でも設計士やインテリアコーディネーターの信頼が厚い、知る人ぞ知るブランドです。本国では王室御用達の称号も授与され、世界の五つ星ホテルなどでも採用されています。その極上の踏み心地が体感できる立川のストア&ショールームでお話をうかがいました。

こだわりの糸から生まれるカスタールの存在感

「カスタールのラグはベーシックなデザインが基本ですが、デザイナーはラグに使う糸づくりから関わっています。この絶妙な色みや風合いは、糸までこだわるからこそ実現できるものなんですよ」

 教えてくれたのは、カスタールの日本パートナーであるEMC株式会社の所清志さんと小林朋子さん。この糸には厳選された天然素材が使われているといいます。ひとつは、丈夫で毛羽立ちにくく、その白さが絶妙な色あいの染色にも向いているニュージーランド産のウール、そして美しい光沢をもつフランス・ノルマンディー産のリネン。こうした糸からのこだわりが、長く愛用できる耐久性と、なんとも言えない上質な表情、そしてその踏み心地を実現しているようです。

スウェーデン西部の町・Kinnaにあるカスタールの工場
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「すべて受注生産なので、一枚一枚オーダーを受けたサイズにあわせてつくります。カットして端を纏って仕上げるようなものとは、やっぱり違いますよ」

 工場は唯一、スウェーデンにあります。年季の入った機械を使いながら、職人が手で行なう工程も100以上。伝統的な平織りや職人によるハンドタフテッドの技が受け継がれています。

ハンドタフテッドの技
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一方で、時代に応える新たなデザインも。サステナビリティへの取り組みで生まれたデザイン「ハーベスト」も、そのひとつです。ラグづくりで必ず出る残糸を使ってアップサイクルする、世界に一枚のラグです。

スウェーデンハウス有明モデルハウスで撮影
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スウェーデンハウス有明モデルハウスで撮影
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見た目の軽やかさに秘められた、確かな重み

カスタールのラグを持ち上げてみたとき、思わず「お餅みたい!」なんて感想を言って、笑われてしまいました。どう見ても軽やかな仕上げなのに、持ってみるとずっしり。やわらかくてしなやかで、それでいて手には確かな重量感が伝わってくるのです。

「横糸の数が多いんですよ。もう、みっちりと隙間なく詰まっている。糸を大量に使っているから、重くなるんです」

たて糸とよこ糸を直角に交差させていく平織りのラグ「ウーブンラグ」の製造工程
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日本でカスタールのプレミアムパートナーを務めるEMC株式会社の所清志さんと小林朋子さんには、ラグづくりのこだわりや、素材の特性についても詳しく教えていただきました。

ラグも使われている糸が少ないと、月日とともにやせてしまったり、織り目が割れてしまったりすることがあるそう。カスタールのラグには、そんな心配が必要ないほど惜しみなく糸が使われています。この重みこそが、長く愛用していけることを物語っているのです。

カスタールのラグにはヨーロッパの品質表示が付けられていますが、そのクラスは最高評価となる「LC5」。あわせて防炎性や耐久性などもアイコンで表示されています。

「ウールというのは、燃えることは燃えるのですが、実は火が広がるのはとても遅いんです。チリチリチリと燃えていく感じ。なので、いわゆる化学繊維のラグに施されているような防炎加工も、基本的には必要ないんですよ」

古くから使われてきた天然素材には、使われてきただけの理由があるのでしょう。ウールというとセーターやコートなど、秋冬の暖かい素材のイメージがありますが、ウールのラグは一年を通して快適に使えるものだといいます。

「ウールは、部屋の中の湿気を吸って、吐き出すということをくり返します。この吐き出すときに、気化熱で周りの熱を奪うんですね。そのため、夏でもウールの表面は常に冷やされます。セーターやコートが暖かいのは、生地に空気を含んで断熱材となり、着ると体温で暖まるから。ラグには熱源がありませんから、夏でも足触りがいいんですよ」

また、ウールにはほこりを吸着する性質があり、室内にほこりが舞いにくくなるという利点もあるといいます。あとでラグに掃除機をかければ、お手入れも万全です。

スウェーデンハウス有明モデルハウスで撮影
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そしてもうひとつ、カスタールを象徴する天然素材がリネンです。

「ウールは太めでマットな風合いですが、リネンは細くて、少し光沢があります。リネンが入ることで、チラチラッと光るような表情が出るんですよ」

リネンというのは、一度栽培すると同じ土地で育てられるようになるまで、およそ5年もの期間を空ける必要があるといいます。また、カスタールのラグに使われているリネンは自然の力で時間をかけて灰汁を抜いているそう。大地にさらしたり、池につけたりという、伝統的に古くから受け継がれてきた方法です。

現代では、ほかにもスピード感を重視した人工的なやり方がありますが、そうした手間や時間を惜しまずに、連綿と受け継がれた伝統を守っているからこそ、あの質感や心地よさが生まれているのでしょう。

「リネンって、皆さんがよくイメージされる、ゴワゴワした硬い麻とは、まったくの別ものなんですよ。日本の品質表示だとひとくくりにされがちなんですけど、本来のリネンは驚くほどしなやかでやわらかいもの。フランス語では「ラン(Lin)」と言うのですが、それがランジェリーの語源にもなっているくらい、肌に触れてもいいようなやわらかい素材なんです」

歴史的にもリネンは、人類最古の繊維といわれる素材。フランスには、リネンのシーツやタオル、テーブルクロスにイニシャルを入れて、嫁入り道具として持たせる文化もあるそうです。

「リネンは、銀食器と同じように家宝として扱われます。それほどヨーロッパでは大切にされてきた繊維なんですよ」

カスタールのラグの原材料となっているのは、主にウールやリネンといった天然素材のみ。こうした昔ながらの素材の性質を生かし、現代の住空間を快適にするインテリアを取り入れるゆたかさは、何物にも代えがたいものがあります。

スウェーデンハウス有明モデルハウスで撮影
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スウェーデンハウス有明モデルハウスで撮影
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6000色ともいわれるオリジナルの糸

カスタールのストア&ショールームにはずらりとラグのサンプルが並んでいますが、そのデザインを形にする繊細な色みや質感を支えているのが糸です。オリジナルにこだわってつくられている糸は、その数およそ6000色にもおよぶといいます。

企業とのコラボレーションなど、オーダーメイドでつくるものでは、コーディネートする布などに合わせて、新たにオリジナルの糸をつくることもあるそう。

「布の端切れを渡して『こういう色でつくってほしい』と頼むと、担当者が6色の糸を選んで、『これでどうですか』と提案するんです。1色ではなく、6色の糸をミックスして色をつくるんですね」

確かに、少し遠くから眺めると一つの色でも、近づいて見ると異なる色の糸が重なり合っているのがわかるラグも。そのラグの上を歩いたり、どんなふうに光が降り注いだりするかで、また印象も変わってきそうです。単純に1色でつくるのではなく、その色の奥行きまで糸で表現する、そんなところにも代々受け継がれてきた職人ならではの感覚がありそうです。

ショールームでは実際にラグを床へ広げて、踏んでみたりしながら選ぶことができます。糸の表情や密度、踏み心地というのは、写真だけではなかなか見極められないもの。ぜひ試してほしいと所さんは言います。

「1500円のTシャツを買うときだって、触ってその感触を試すじゃないですか。一生もののラグですからね、やはり試されたほうがいいと思いますよ」

ご夫婦で家づくりをされる際、ショールームへ足を運ぶのは、妻だけでなく夫も多いそう。むしろ男性のほうが熱心で、事前に細かく調べて動画を見て勉強していたり、出張で東京へ来るついでにと一人で足を運んだりするような方が少なくないといいます。カスタールのこだわりのものづくりは、知れば知るほどその美しさの理由がわかり、探究心をくすぐる奥深さがあるのでしょう。

メンテナンス性も気になりますが、日々のお手入れは基本的に掃除機で。汚れが気になったら、固く絞った布で水拭きをすることもできるそうです。ただ、飲み物などをこぼしたときには、できるだけ早く拭き取ること。必要に応じて、専門のクリーニング業者を紹介してもらうこともできます。

時間とともに、暮らしの一部となっていくラグ

素材ができるまでにも時間をかけ、糸をつくり、一枚のラグを形にしていくていねいな時間を経て、各家庭の暮らしの中で年月を重ねていく――。長年使って傷んだ縁を切り、巻き直して補修した例もあるそうですが、そうして愛着が深まっていくほど、簡単に新しいものへ交換するのではなく、手を入れながら長く使っていきたくなるものです。

「ラグには、空間をゆるやかに区切る役割もあります。LDKにラグを一枚敷くと、そこがリビングゾーンになる。見えないパーティションのように、エリアが分けられるんですよ」

そこに一枚のラグを敷くことで生まれる、自然と人が集まってくつろげる場所。カスタールのラグはすべて受注生産なので、「ここをリビングにしたい」という範囲に合わせて、その場所にフィットする一枚をつくることができます。

ヨーロッパでは、まず気に入ったラグを選び、そこからソファなどの家具を決めていく方も多いとか。部屋の中でも目に入る大きな面積を占めるラグは、インテリアの出発点として方向性を定めやすそうです。

日本でカスタールのラグを採用されたお客様からは、「最初は座布団も購入するつもりだったけど、ラグの上にそのまま座れるから必要なかった」という声もあったといいます。床に直接座る文化がある日本人にとって、ラグの素材やつくりのよさというのは、もっと大事にされるべきものなのではないでしょうか。

スウェーデンハウス有明モデルハウスで撮影
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「できるだけ大きく敷いて、その上に家具を配置したほうが、見た目のバランスはよくなります」と所さん。リビングやダイニングだけでなく、ベッドルームに敷くのもおすすめだといいます。

「ベッドルームに敷くと、一日の終わりと一日の始まりが、その気持ちいいラグの上になるんです」

朝、ベッドから下ろした素足が最初に触れる場所。夜、一日を終えて休もうというときにそっと踏みしめる場所。そんな何気ない瞬間にこそ、ラグが暮らしにもたらす心地よさの恩恵があるのかもしれません。

小林朋子さん(左)と所清志さん(右)
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《KASTHALL カスタール ストア&ショールーム》
所在地 東京都立川市高松町3-8-4 ファーレTKT3F
営業時間 11:00~18:00(要予約/042-512-7291)
定休日 日曜・祝日、年末年始
https://www.kasthall-emc.jp

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